2020.05.15

somemore people

すでにあるものに、
自分たちが欲しい「もうちょっと」をデザインすることで、
快適さや楽しさを提案するsomemore。

「somemore people」では、
仕事やライフスタイルで「もうちょっと」を形にしながら、
楽しさや新たな風景をつくりだしている人々を紹介していきます。
すでにあるものに、
自分たちが欲しい
「もうちょっと」をデザインすることで、
快適さや楽しさを提案するsomemore。

「somemore people」では、
仕事やライフスタイルで
「もうちょっと」を形にしながら、
楽しさや新たな風景を
つくりだしている人々を紹介していきます。

VOL. 06 ナガノチサト(2) その先を考えながら生きるために その先を考えながら生きるために

前回の『絵に寄り添うということ』から、話題は自身の装いについて。 



現在フリーランスのイラストレーターとして活動しているナガノチサトさん。オンオフの切り替えや、よしやるぞ! といった気持ちを切り替えるときに着る定番服ってありますか?

「これといった服はないのですが、気持ちを変えるという意味でもまずは着替えます。でも、基本的にはデニムにTシャツとか、シンプルで着やすい服が多いです。」


今回ナガノさんに着ていただいたワンピースは、「linen trimmingワンピース/生成り」。
シンプルなんですが、トリミング部分に目の細かいリネンを使って光沢感を出したり、リネンの経年変化に合うように天然の貝ボタンにしたりと、somemoreのコンセプトに合った「もうちょっと」を加えてデザインされています。着られてみていかがですか?

「somemoreの服をはじめて着たんですが、着心地もいいし、動きやすくていいですね。長袖を下に着て合わせるのも良さそう。冬も薄手のニットを着て重ね着できますね。」


「あと、肩がジャストな感じがして合っています。普段、自分の着る服でこだわっているのはサイズ感で、細かな部分よりも、自分のサイズに合うかが一番の決め手かもしれません。可愛いと思っても肩のラインがイメージよりも落ちてるとか、袖の長さが微妙とかだと買うのに躊躇しちゃいます。でも、矛盾しますがサイズ感とか関係なく買っちゃう時もあって。『何でこの柄買ったんだろう?何に合わせようと思ったんだろう?』ってことは度々あります。これ何柄?みたいな柄を何着か持っています(笑)。」

気分によってこの色の服着てみようかな、とか選んでいる感覚でしょうか。

「そうですね、元気ない時ほど赤い服を着ると気持ちもあがるような気がして。」

「そういった見方でsomemoreの服を見ると、動きやすいしシワとか気にしなくていいデザインに見えるので、外に遊びに行く気分の時に着たいですね。どこに座ってもシワ気にしなくていいし、くるくるに丸めることもできるし。三ヶ月一回ぐらいしか着ない服もありますが、somemoreは毎週着る服に近いと思います。」

somemoreのデザインを手がけている森陰さんは『出番が多い服を作る』ことを意識してシャツを制作しているので、ぴったりだと思います。洗い方やシワなんかを気にせず着れるので、旅行や日々の普段着なんかにもってこいですね。

「その話を聞いて納得しました。旅先とかでも洗えそうですもんね。お父さんにあげようかな。」


最後の質問は、somemoreのブランド名にちなんで自分自身にとって「もう少し」先にある目標について。

「ちょっと抽象的な表現になってしまうんですけど、何でも今のことよりもすこし先のことを想像して行動したいなと思っています。今は仕事でもいただいた題目に対してパッと反射的に答えることもあるんですけど、もうちょっと奥にあることを想像させることが大事だなと思ってて。というのも、今って、なんだかイメージが足りない人が目立つよう感じるんです。ささやかなところでも。」

今のニュースを見ても、本質とは異なる部分で誹謗中傷だったり特定の人物を攻撃するようなことが起きていて、いたたまれない事件は少なくない。

「人に言葉をかける時とか、何かひとつの行動をする時とかでも、今そのときの勢いだけに任せちゃうんじゃなくて、この言葉を出したことで、その先どうなるんだろうってことも想像しながら言葉を使わないとダメだよなぁと思って。絵もその一環で先が想像できるものであるべきだと感じています。まずは自分が大切な人の幸せを願って生きていきたいです。日々の感情の奥を想像させるような、もうちょっと深みがあるような。そんな絵を描けたらいいですね。」


言葉を届ける手段や道具はどんどん出てきて、手紙のような、これまで考える時間が存在したのにそれを省いて伝えるスピードは速くなってる気がします。
現在のイラストレーションも、その速度にあわせて分かりやすさを目的に依頼することが増えつつあるのかもしれない。

「流れの早い時代ですが、自分が良い・楽しいと思った感覚やバランスはずっと成長していくものだと思うので大切に育てて、ひとつの形を、一本の線を丁寧に描いていきたいです。」

Photo:小財美香子
Text:浦川彰太

ナガノチサト(Nagano Chisato)

イラストレーター。雑誌の挿絵や装画、WEB、パッケージやフライヤー、 アパレルブランドとのコラボ商品のデザインなどでイラストを制作。 近年では、チーズケーキ専門店のパッケージイラストや商業施設のイメージビジュアルなど幅広く活動中。個展での新作発表も行う。
webサイト: http://von3.com
Instagram: https://www.instagram.com/chisato_nagano/